瑠璃色宇宙

六部純/絵に関するエトセトラ☆

生命と自由のある場所

shinjukunohidarime.jpg

「Shinjuku Underground」

http://cardboard-house-painting.jp/mt/archives/cat1/index.php

ふと思い出して検索してみました。

なんて魅力的な場所だったことだろう。
ホームレスの作ったダンボールハウスに、数名のアーティストが、なんとも魅力的な絵を描いていた。
新宿ダンボール村。
以前わたしが描いていた漫画「とんび」の舞台。

一人で取材に行って、ダンボールハウスの作り方などを教えてもらった。
猫を肩に乗せたおじさんがいた。
温かい缶コーヒーをくれて、しょっぱい漬物を食べさせてくれた。
人と人との間に垣根を置かない彼らが、きれいにも見えたし、こわいとも思った。
けれど生命と自由を見た気がした。
それまで汚くて嫌いだった新宿という街を好きになった。

わたしが求めている「何か」があるように感じた。

ここから生まれた“とんび”というキャラクターは、わたしの価値観を大きく変え、今でも心にいる。
そしてきっとわたしが死ぬまで生き続ける。

漫画を描くのをやめて絵描きをしている今、もう一度この風景に出会いたい。

そして描きたい。

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「とんび」



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(「Shinjuku Underground」から引用)
数百軒もの段ボールハウスが西口の地下道にひしめき、林立していた。
その段ボールハウスには一軒一軒絵画が描かれていたのだ。
摩訶不思議な、そして国家そのものをあざ笑うかのような反逆的な色彩を鮮烈に放っていた。

絵画はアーティストたちによって描かれていた。
その絵画制作集団のリーダーは「武盾一郎」このweb画集の制作者である。

武盾一郎はこの段ボールハウス絵画制作中に逮捕され22日間の拘留を強いられる。
その後も制作活動は続けられるが、1998年の大火災によって地下道の王国は滅びるのである。

その後行政は再びホームレスの自治区などが出来ないよう、
大幅に地下道を工事、ホームレスを新宿西口地下道から追い出すことに成功した。

このWEB画集は当時、段ボールハウスに描かれた絵画に焦点をあて、
今となっては幻となってしまった地下の王国が大都市の真ん中あったことを蘇らせる為に作られたものである。

ここにアップされている作品群はほんの一部に過ぎない。

「瞬間が命なら記録などしない」と考えていた為 自分達の作品を記録しなかったのだ。

このサイトの写真は写真家の迫川尚子氏の作品を中心に、この絵画制作に共感した人たちが公開を快諾してくれたものである。

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